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最終更新日 2007年5月31日
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「THIS WEEK」
週刊文春(2006年12月21日付)

救急車をタクシー代わりに呼ぶな 横浜などの自治体が有料化を検討

 「深爪をした」「コンタクトレンズがずれた」「梅干の種を飲み込んだ」「救急車で病院に行けば、待たされないだろうと思った」など、明らかに緊急度が低い理由で、救急車をタクシー代わりに利用する人が増えている。救急隊が駆けつけてみれば、大きな荷物を持った妊婦が玄関先に立って待っていた、なんて光景も珍しくないという。
 “常連さん”もいる。香川県では昨年、一年間に五十回近くタクシー代わりに救急車を呼んだ男が、公務執行妨害で逮捕されるという事態まで発生した。
 当然、救急車の出動件数は増加の一途。05年には、全国で約528万件。十年前の1.6倍にもなった。到着所要時間も、十年間で5.8分から6.5分に伸びた。
 東京都の場合、05年の出動約70万件のうち、半数を超える約38万件は軽症だったという。
 こんなことをしていたら、本当に緊急を要する人が助からない事態になりかねない。
 頭を悩ませた全国の自治体は、対策に乗り出した。
 出動件数15万7千件(04年)で、救急隊の運営経費が年間約64億円かかる横浜市では、二年前から有料化を含めた検討を始めた。まず「自分や家族の具合が悪くなった時、いくらまでなら救急車を呼ぶか」と市民アンケートを行ったのだ。
 その結果、単に有料化すれば解決する問題ではないとわかり、現在は重症度に応じた効率的な救急車の運用体制の見直しや、緊急度の識別手法などについて、検証作業を進めている。市民にも適正利用を訴えた結果、出動件数は今年二月をピークに減少傾向にある。
 中田宏・横浜市長は、
「核家族や高齢化による社会的背景が影響しているとはいえ、はっきりいってモラルの低下の問題。日本は税金によって救急車が運行されているが、出動件数が増えれば財政負担も増え、結局は市民負担となる。
 いまのような状態のまま、税金を使い続けていくのがいいのか、よくよく考えたほうがいい」
 と語る。日本人のモラル回復こそ、緊急度が高い。


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