最終更新日 2005年9月12日
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産経新聞(2004年11月25日)

「三位一体の改革」

 最近、政治を見ていると、怒りを通り越し、むなしい気分になることが多くなった。
 以前から、分刻みで忙しく働く政治家に素直に感謝する気持ちになかなかなれず、どうしたら“質の高い”政治家が生まれるのかと思いをめぐらすこともあったが、そんな期待すら最近は抱かなくなってしまった。というより、抱けなくなってしまった。
 今、議論沸騰中の「三位一体の改革」は本来、国と地方のあり方や役割を見直し、この国のあらゆる構造を作りかえることにつながるはずであった。だからこそ、補助金がなければ財政が苦しくなることは目に見えていながら、地方自治体は自由度を狭める補助金の削減を唱えていたのだ。代わりに税源の大幅な移譲を訴え、地域のニーズにあった事業を、それぞれの自治体の責任において可能となる制度を望んだのだ。
 当然、あらゆる分野で地方間の格差が出てくるだろう。補助金は自由度はなくとも、地方の行政は滞りなく行なわれる。住民の不満はたまっても、それが楽でいいと思っている自治体もある。
 一方、住民の要望や期待に沿うために知恵を絞っている自治体にとっては、補助金こそが行政を滞らせる元凶と思っている。大幅な税源の移譲で地方の裁量が広がれば、住民の期待に応えるための施策を実行することが可能となるのだ。中央から地方への財源措置がなくなることで、今までより重い責任を持つことになるのは、国ではなく地方自治体なのである。
 しかし、その補助金削減に反対しているのは中央省庁と国会議員である。補助金がなくなると、地方への“にらみ”が利かなくなり、自分たちの存在意義が問われるからというのが本当なら、何とも情けない。
 どうしてこうも、自分のことばかりを考える政治家が多いのかと不思議でならないが、それは国民全体が自分のことしか考えないような人間になってしまったからなのかもしれない。


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