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「学校を選べる品川区」として、すっかり有名になった東京・品川区で教育委員に就任してから十ヶ月が経った。
取材する側から、教育改革実践の当事者に立場が百八十度変わり、外から眺めるだけだった行政の世界で責任ある仕事を務めることは、今まで経験したことのない緊張感の連続である。
世は早急な教育改革の必要性を迫せまられており、子供の事件が起こるたびに、問題の根はどこにあるのか、長期的・短期的にそれぞれ対処できることはないのか、今まで以上に真剣に考える毎日だ。
品川区は数々の教育制度改革を実践してきた。学区撤廃による学校選択制から始まり、小学校での教科担任制や英語学習、擬似経済体験学習としての「ストゥーデントシティ」の導入、学力定着度調査や外部評価者制度とその結果を踏まえた各学校の「態度表明」、そして「小中一貫校」平成十八年度開校など。「国家百年の計」である教育の分野において、地方自治体には自ずと限界がある中で、できうる限りの改革に、学校も行政も全力で取り組んできた。
よく「なぜ品川は(改革)ができるのですか」という質問を受ける。私が当事者となってわかったことは、教育委員会のみならず、品川区の行政全体が、常に「よりよいもの」を目指して全力疾走しているからだということである。
教育だけではない。区職員がそれぞれの任務において、“いいもの”を目指して一丸となっている空気を区役所全体に感じるのだ。区民にとって、日本にとってやるべきことは何かー職員全体の真剣味が、他の地方自治体との決定的な違いだ。区長や教育長のリーダーシップは言うまでもないが、それだけでは実践に結びつかなかったのではないかと思う。
さて、教育委員は首長にその任命権がある。「教育委員会不要論」を唱える首長は、不要な教育委員会を作っている責任があるということにならないだろうか。
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