最終更新日 2004年8月1日
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産経新聞2面(2004年7月19日)

『真の課題は問われたか』

 今回の参院選は、年金問題と自衛隊の多国籍軍参加の是非が争点だったようだ。しかし、国政に携わる議員を選ぶのに、判断基準が本当にそれだけでよかったのだろうか。
  私たち国民生活に直接影響を与える年金問題への関心は高く、特に国会での与党による強行採決で国民を欺く態度が明白となり、政権への不信感を高めた。法律の根拠となる基礎データの公表も“意図的”に遅らせるなど、政権のとった態度に、国民は大きな怒りを抱き、それが投票行動に直結したといっていいだろう。年金改革の中身よりも、その政治手法に大きな怒りを感じたのだ。
  年金同様、自衛隊の多国籍軍への参加も、小泉首相はじめ、政権が本気で国民の納得を得ようと努力したとは思えない態度に終始いた。そんな政権の“おごり”に対し、この国は一体誰のためにあるのかと言いたくなる。
  しかし、それらのみが判断基準であったとすれば、政治の役割とは何かということに対する国民の理解はまだ不十分だといえるのではないだろうか。政治の役割とは、国内外の社会変化を敏感に察知し、冷静に判断・分析し、将来進むべき道を示していくことにある。年金は社会保障を、自衛隊の多国籍軍への参加は安全保障をそれぞれ示す一例ではあるかもしれないが、日本という国家の骨組みの一部に過ぎない。
  本来、国政選挙で問うべき課題は、日本がどんな国を目指していくのかということでなければならないはずだ。憲法や教育基本法改正の是非は、国家としての日本のあり方や国民性をどう考えるかということを抜きに問うことはできない。各政党がこれらを明確にして選挙に臨むことこそ、国政選挙で問われるべき課題であったように思う。
  社会の転換期にあるときに、どんな政策にも完全はない。だからこそ政治が国の進むべき方向性を示すという責任こそが問われているはずである。


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