|
「うちには、子供が2人いるから大丈夫」、「子供をもつかもたないか、何人もつかは個人の自由」―そう、「出産のススメ」なんて、国家がやるのは絶対おかしい。でも、今は「少子化問題」が日本の数多くの問題の中でもかなり深刻度を増しているのだ。一体、「少子化」って何が「問題」なのだろうか。
少子化、つまり日本の人口が徐々に減っていくことによって、社会に色々な問題が生じてくるというわけだ。例えば、日本の経済力の低下。人口の減少が労働力や消費力を減らし、経済が縮小するという心配。あるいは、人口増加を前提としている社会保障制度が行き詰まるという心配。実は、日本の人口は2年後の平成18年をピークに下降の一途をたどると言われている。それが目前に迫っているという今になって、政府は何としてでも、人口減少、その背景にある少子化現象というものを食い止めようと、躍起になっているのだ。
人口減少―これも何だかリアリティがない。でも、数字にはきっちりと表れている。昨年生まれた赤ちゃんは112万人で過去最低。また、ひとりの女性が一生涯に産む子供の数が、2.08以上ないと、今の人口は維持できないといわれている「合計特殊出生率」が、平成14年は1.32。世界でもイタリア、ドイツなどに次ぐ低さだ。
当然のことながら、イタリア、ドイツだけでなく、世界の先進国は、あの手、この手の少子化対策を打ち出している。顕著な例は手厚い児童手当だ。アメリカにはない制度だが、ヨーロッパ諸国は、16〜18歳まで、平均すると1人につき月1万5千円前後が支給される。もちろん、所得制限もない。しかし、日本ときたら、この児童手当すら、第一子、第二子は月5千円、第三子以降1万円で、ナント所得制限がある。支給対象年齢は、今年の4月から引き上げられるが、それでも小学校3年生まで。出産費用にしても、検診代も含め、おおむね無料のヨーロッパ諸国に対し、日本は健康保険の適用すら、不可。加えて、30万人以上といわれている不妊治療への保険適用も、今年の4月から体外受精に10万円の助成(年2回を限度)が認められる予定だが、他は「不妊は病気ではない」という理由から、保険適用外、つまり自費診療がこれからも続くのだ。
日本は、従来からの少子化対策「新エンゼルプラン」などを推進するため、昨年7月に「次世代育成支援対策推進法」を制定、地方自治体には、その具体的計画として「次世代育成支援地域行動計画」の策定を義務付けた。しかし、その内容は子育て支援にとどまり、根源的な少子化対策とは程遠いものとなっている。なぜ、少子化になったのか、その原因を、政府はまったく理解していないからだ。
私たちトランタン世代は、社会で活躍する女性を目指してきた人が多い。そのための学歴も必要だったし、晩婚もいたし方ないこと。その結果がもたらした不妊という現実や自分のキャリアを大切にしたいと思う気持ち。また劣悪な住環境・・・少子化は必然の流れでしかない。国策として子供を増やすことができるような国は、ある意味危険でもあるが、それでも、児童手当の増額、出産費用の国費負担、不妊治療の保険適用など、まだまだできることはいくらでもある。何せ現状は、社会保障給付費のうち、育児関係に使われるのは、わずか3%でしかないのだから。
|