最終更新日 2004年5月6日
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「ラヴィ・ドゥ・トランタン」2004年3月号
『30ans政経塾・細川珠生の政治塾』

今月のお題「国家予算82兆1,109億円。この数字の実態は・・・」

 年金やら道路やら、イラクへの自衛隊派遣の実施やら、ビッグニュースが続いていた昨年の末。でもどこでどう議論が行われていたのかは、私たちにはなかなかわからない。政治と言えば、選挙だの権力闘争だの、身内で盛り上がっているようにも見えるが、私たちの生活に大きくかかわることを、たくさん決めている。ぜひ、私たちの目に見えるところで議論し、国民の関心を高めてほしいものだ。
 中でも、なかなか関心をもてないものが、実は最も大切な政治の使命の一つであるはずの、「国家予算編成」。ハチジュウニチョウイッセンヒャクキュウオクエン・・・(82兆1109億円)と聞いただけで、拒否反応を起こしそうな数字の羅列。とても内訳まで読もうという気も起きない。しかし、「国家予算」といえば、国の家計。私たちの納めた税金がどのように使われるのか、その内訳が記されたものだけに、額の大きさにひるまないで、しっかりとチェックする必要があるのだ。
 といっても、そう難しいことではないのでご安心を。日本の国家予算は、「歳入」をみるだけでもゾッとするようなヒドイ予算編成なのだ。そのひどさを知るだけでも、大きな意味がある。
 国家の基本的な収入である「税収」は、歳入総額約82兆円のうち、41兆7470億円。つまり全体の歳入のうちの約半分しか、収入がない。普通、その収入の中で何とかやりくりをするものだと思うが、それでは足りないからと借金をする。それが国債であり、その額、36兆5900億円。収入が足りなければ、どんどん借金をしてしまうということを繰り返してきたために、いまや国債の残高は483兆円(平成16年度末)。これは、16年度の税収41.7兆円の約12年分に相当する額だ。
 これは、国民一人当たり378万円の借金を背負っているのと同じこと。これに地方自治体の借金である地方債の残高を合わせると、520万円にもなる。日本人の平均年収は543万円なので、ほぼ年収と同じだけ、私たちは借金を返済しなくてはいけないということなのだ。
 「でも国の借金でしょ。私たちには関係ない」と思う人もいるかもしれないが、国が借金漬けになったら、どこかで収支を合わせなければならなくなる。そのためには、まず増税。また私たちの年金をもっとカットしたり、医療費の自己負担額を増やしたり、義務教育費や公共料金などにも影響が出るかもしれない。果てしなく、私たちの生活に負担が重くかかってくることになるのだ。
 カットするには限界がある経費もあるけれど、もっともっとカットしなければならない無駄なことも、まだまだたくさんやっているはず。驚くことに、予算の繰り越しもできないのだ。だから予算を年度内で使いきろうとする。安易に借金に頼るのではなく、もっと効率的な予算の使い方ができないのか、それに頭を使ってもらいたい。
 さて、毎年1月に始まる通常国会では、4月からの翌年度予算案が最優先議題となる(今年は、15年度補正予算案審議が先)。しかし、誰の “メンツ”か、前年末に閣議決定された予算案は、「無修正」で成立させるのが“慣例”。与党は時間消化のための審議にしようとするが、国民のための予算審議をしてもらいたいものだ。


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