最終更新日 2003年8月29日
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産経新聞2面(2003年9月26日)

今、なぜ選挙なのか

 “ようやく”自民党総裁選が終わった。そして二ヶ月の“夏休み”を終え、国会も始まる。長い政治空白にピリオドが打たれ、やっと政治家が本業に専念するのかと思ったら、今度は解散・総選挙だという。「本当に?」と耳を疑ってしまうのは私だけではあるまい。
 「政策は?」「成果は?」という疑問符がつきまといながら、今でも小泉総理の支持率は高い。しかし、小泉総理が総裁を務める自民党の支持率は高くない。それは、国民が自分たちが支持する小泉総理の敵は自民党内にあり、と思っているからではないだろうか。
 小泉内閣が進めようとする改革に国民が期待をしても、自民党の“体質”によってそれが覆される場面がいくつもあった。この二年半、小泉総理は、自民党内の“野党勢力”と戦い、妥協や調整を強いられてきた。敵は野党ではなく、党内にあった。
 安倍晋三氏の自民党幹事長起用は、単なる選挙の顔という理由だけではないはずだ。自民党幹事長の権限は大きく、“鶴の一声”で政策が大きく変わるほどの力を持ち、それが制度的には何の正当性もない「権力の二重構造」と久しく批判をされてきた。内閣の代表者である総理に対して、政権与党の代表者として、自民党の利益を代弁するのが、ある意味自民党幹事長の役割でもあった。
 そのポストに安倍氏が就任したということは、小泉総理と自民党が政策の面においても一体となって進んでいくことを意味している。小泉総理と目指す方向性を一にする安倍氏が幹事長に就任したことの意味はそこにあると私は見ている。単に“抵抗勢力”が増えるだけになるかもしれない選挙での勝利のためだけに、安倍氏を「選挙の顔」として起用したとは思えないのだ。
 そう考えると、選挙での争点は何なのか。与野党の決定的な違いが何か、国民に示されているだろうか。その中で解散・総選挙を行うよりも、拉致被害者を取り戻すことの方が先ではないだろうか。


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