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産経新聞(2002年5月22日朝刊3面) |
『政治家の条件』
この2ヶ月の間に、あっと驚くような政治家が、相次いで議員辞職した。ムネオ問題の急先鋒だった辻元清美氏、YKKの一員として小泉総理の同志であった加藤紘一氏、参議院議長の井上裕氏らの辞職は、私たち国民にも、政治の恐ろしさと共に、その堕落ぶりをまざまざと見せつけられた出来事だったように思う。
もちろん、疑惑は国民への裏切り行為である。疑いがあれば、疑いを晴らす努力をし、それができないのなら、議員辞職も当然のことだろう。よく、議員辞職に「追い込まれた」と報道されるが、追い込んだのは自分自身であり、問題がなければ、議員辞職などせずに済んだことだ。すべては自分自身に、その責任がある。
それにしても、政治家とは、大変な職業だとつくづく感じる。過去をどこまで遡っても、一切疑惑が生じないような精錬潔癖な人でなければ、務まらない職業なのだ。しかし、先ごろ辞職した議員以外の政治家が、すべて精錬潔白とはとうてい思えない。
だとすれば、これからも、政界は"疑惑合戦"を繰り返し、いくつもの重要法案の議論もそっちのけで、騒動に振り回され続けるのだろうか。政治にとりわけ詳しいわけではない私の友人たちですら、「一体、政治ってどうなっちゃったの?」と言わずにはいられないほどの不安感を抱いている。そんな国民を尻目に、いつまで「勝った」「負けた」の権力闘争を続けるのだろうか。
そもそも政治家とは、誰にでもなれる職業ではないのだ。高い知性と教養、適度な遊び心と協調性、人をまとめ、動かすことのできるリーダー性、そして何より、私欲を捨て、人のために人生をささげる決意とそれを維持させることのできる意志の強さ・・・。
こうした能力を持ち合わせている政治家は、残念ながら数少ないといわざるを得ない。その点からみれば、能力のない政治家を選んでいる有権者の責任もまた、大きいのである。 |
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