最終更新日 2002年5月14日
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「私はこう見るー小泉内閣一年」
夕刊フジ(2002年5月2日)

『目標絞って「政治の質」転換して』

 わずか一年前の、国を挙げての"ブーム"が今や懐かしく感じられる今日このごろである。そもそも、一年前の熱狂振りこそが異常であり、もっと冷静に、新しい首相の誕生を迎えないといけなかったはずだ。
 小泉純一郎首相がこの一年間で注目されたことといえば、大相撲夏場所で、優勝した貴乃花に総理大臣杯を渡す際「感動した!」と言ったことや、長男・孝太郎氏の芸能界デビューや自身の写真集の発売など、政治とは離れたところで話題に上ることはたくさんあった。
 しかし、最近の政治スキャンダルに関する対応や、さまざまな政策的課題の中で、首相が総理大臣として、党の総裁として指導力を発揮する姿はあまり見られなかった。
 むしろ、他人事のような投げやりな態度は、国民に政治への嫌悪感を与えることになっているのではないだろうか。
 首相は足元の党内、あるいは与党内にいる"抵抗勢力"からの突き上げに遭いながらも、それなりに頑固さを貫き、抵抗勢力と戦っていると思う。しかし、今までも熱心に取り組んできた「郵政三事業の民営化」を除くと、他のテーマについては、肝心なところで抵抗勢力に花を持たせる結果を導いている。
 特殊法人改革も医療制度改革もそうであったし、BSE(狂牛病)問題がこれほど深刻であるにもかかわらず、大臣を交代させることすらできない。あるいは、田中真紀子前外相の更迭も、最悪のタイミングで行ってしまったために、首相としてのセンスを疑われる結果となってしまった。
 就任当初、80%以上の国民が首相を支持した理由は、生活の中で感じる行き詰まり感や将来への不安感を払拭し、新しい日本を、新しい社会のシステムを作ってくれるのではと期待したからではないだろうか。そのためにも、まずは政治の"質"が変わることを望み、それを首相に託したということではないだろうか。
 しかし、最近の政治スキャンダル報道を見る限り、政治の質の悪さは深刻で、それに対して投げやりな対応しか見せない首相に、国民は不信感を抱きつつある。首相は「自民党を変える」ということが、第一公約であったはずだ。それが、国民の望む政治の質の転換である。
 就任からわずか一年で大きな成果を期待するのも間違いだが、首相もたくさんの公約を実現しようとせず、何か一つ、歴史に名を残す大改革を成し遂げることに専念すれば、再び国民の信頼を得られるのではないだろうか。

 


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