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「語る 自治体の挑戦」(インタビュー)
毎日新聞(2001年5月14日朝刊26面) |
「改革の実現は首長次第」
自治体のよしあしは結局「だれが首長か」なんですよね。「3割自治」の中でも、首長の改革の意思次第で、運営はガラリと変わります。
首長に興味を持ったのは、無駄な公共事業があっちにもこっちにもという報道がにぎやかだった97年の初め、北海道の堀達也知事が「時のアセスメント」を発表したのがきっかけでした。「10年間停滞している事業は続けるかどうか検討する」という内容なのですが、一度決めたら必要性がなくなろうが続ける「常識」からしたら画期的でした。どこからそんな発想が出るのか、道庁を訪ねてみたのです。
次いで、「事務事業評価システム」の導入を決めた三重県の北川正恭知事を、その春取材しました。国の補助を含む全3300事業一つ一つについて、目標と評価を明確にするという内容です。
どちらも、役所の中にそれを支えるキーマンがいました。北海道は政策室長、三重は行革総括推進室長(いずれも当時)。トップ一人が目立っちゃうだけではだめなんです。役人心理を知り尽くしている幹部職員が支えてこそ、役人に痛みが少なく、かつ住民に効果的、という手法が実施できるんですね。
父が政治評論家で、首相経験者らを日ごろから批判している環境で育ったので、取材で永田町に出入りするようになると、「なんでこんなにいばっているんだろう」と思わせられることがしばしば。国民の声が聞こえていないからですよね。地方の首長はいばってばかりいられません。住民が直接選びますから。
中央は民意がちっとも反映されず、ますますルールのない社会になっています。「内閣不信任案は否決したが、森喜朗首相がいいわけではない」なんて、世間では通用しません。長野、栃木、千葉、秋田の知事選でそんな中央政党の論理に反する新しい流れが生まれ、自民党の総裁選も地方の声が決めました。「ルールがなくてはだめなんだ」ということに、地方は早く気付いたということです。
本当は地方分権をもっと進めて、補助金の振り分けなんか国会議員の票にならないようでないといけないのです。「地方は頑張っている」という割には何もかわらないじゃないかというのは、ガチガチの中央集権という制度の問題です。それでも、「地方でもこれだけのことができるんだ」と示すことはできます。
東京都品川区の高橋久二区長は、「学校の上に何かをつくるなら補助金は出さない」と文部省(当時)に大反対されながら、「土地は有効利用しなければいけない」と粘って96年、中学校の上に特別養護老人ホームのある合築を完成させました。小さな都市だって、群馬県太田市の清水聖義市長が助役を置かず年2000万円浮く人件費で小3、4年の算数の先生を2人にするなど、工夫次第です。
住民の側を向いた元気のいい首長がどんどん生まれ、国との関係で共通に直面する問題点を、声を合わせて国にぶつける。そんな具体的なアクションから本当の地方分権が実現すれば
もう決して夢ではないと思います。
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