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党が選んだだけ
世の中、浮かれモードで小泉純一郎新政権の誕生を迎えたが、私は冷やかに新政権誕生を見ている。というのも、そもそも何で森喜朗前首相から小泉首相へのバトンタッチがあったのかを考えてみたい。それは、自民党が森首相では参院選が戦えないため、早急に党の顔を変える必要があると、自民党内部から起こった就任以来の"森降ろし"が、総裁選の繰り上げ実施に踏み込んだからである。つまり、単なる自民党のお家事情によって、国会会期中にもかかわらず、審議をストップさせて、自民党総裁選を行ったのだ。
小泉首相は確かに国民的人気が高いし、私自身も小泉氏の一貫性や信念の強さから首相就任を願ってきたことも事実である。しかし、今回は自民党員から選ばれたに過ぎず、総選挙によって国民からの支持を得て首相になったわけではないことを、もっと謙虚に受け止めていただくことを第一に望みたい。
つまり、党の顔が新しくなったとはいえ、国民全体の自民党の評価は大参敗を喫した昨年の総選挙、三年前の参院選での結果がそれである。国民からの支持を得たとは到底思えない、むしろ政権与党として行ってきたことに、国民から厳しい判断を下されたといってもいいだろう。本来、森前首相の不支持率の高さは政権与党の不支持率とみなされ、新しく政権与党の顔が変わったのならば、その時点で、国民がどの党に政権を託すのかを決めさせてもらうのが筋ではないだろうか。今回の"お祭り"は、自民党員だけの投票で新しい首相を誕生させ、そこに広く国民の意思を反映させる場ではなかった。
一気に改革を
過度のマスコミの騒ぎようで、あたかも総選挙で小泉氏ならびに与党三党が支持されたとカン違いされがちであるが、国民の意思を確認する場として七月に衆院同時選挙を実施する決断を望みたい。
どのみち、小泉首相の総裁任期はわずか五ヶ月。九月末には、また総裁選が行われる。ならば、それまでは徹底して首相の持論を展開して、一気に改革を断行する道筋をつけてもらいたい。憲法を始め、集団的自衛権行使の問題や首相公選制の実現など、内閣のメンバーになったとたんにトーンダウンする政治家ばかりの中で、一貫性は大いに評価でき、それが首相自身への信頼感から政治全体への信頼の回復につながっていくことを期待したい。
心配の種はやはり党運営だ。"森降ろし"は本来なら支える立場の自民党内で、足の引っ張り合いをした結果だった。しかし、だからといって、小泉首相に派閥のことで頭を悩ませるようなことはしてほしくない。国民にとって、派閥の存在は何の関係もなく、派閥の論理は国民には通用しない。
この世論を強固な"支持基盤"とするためにも、小泉首相が自民党の顔として国民の審判を仰ぎ、正式に国民の指示を得られれば、掲げる政策は実現の可能性が高くなるだろう。
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