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最終更新日 2004年9月17日
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隆一郎コラム

第三回 (2004年9月17日)

 部下の悪事の責任をその本人が取るのは勿論であるが、「事と次第」によっては、上役が取るべきである。とするならば、今度のNHKの事件は余りにも酷いので、会長たる海老沢勝二氏が責任を取り、辞任すべきである。
 先日の国会中継を聞いても、また、新聞報道を読んでも、多少の給料を返却し、機構を改革して、未然に悪事を防ぐと言うが、勿論それはそれとして、しっかりやらねばならぬ。しかし、今、世の中で言われているNHKの悪事は、相当なものである。それに対し、相変わらず会長の座を汚していることは「厚顔無恥」と言わざるを得ない。NHKは、良い番組も作っているのに、それらの価値がゼロになるような悪事を働いたにも関わらず、海老沢氏は会長の座にこれからも居座っていてよいものだろうか。悪事を未然に防止出来なかった者が、将来、新しい機構をつくったとしても、そう簡単に世間が納得するものではない。起こってしまったことに対しての責任を感じ、天下に謝罪することが先決である。対策は、新陣容でなすべきであって、三振した者がバッターボックスに残るようでは、期待は持てない。どうして、あっさり責任をとらないのか。「武士道」を知らぬこと、はなはだしい。「安心を届ける放送局」などといっても、ちゃんちゃら可笑しい。この場に及んでまだ、その職にしがみつくとは「下の下」と言わざるを得ない。あっさり言うならば、NHKは天下の信を失ったと考えなければならない。
 海老沢氏が政治記者の時代に長く担当したのは、田中派だといわれている。その故・田中角栄氏はロッキード事件によって、昭和五十八年十月十二日、懲役四年、追徴金五億円の有罪判決を受けた。世論は故・田中氏に対し、議員辞職を求めた。第二審判決は、昭和六十二年七月二十九日、東京高裁より同様の判決が下された。またもや世論は、故・田中氏の議員辞職に沸騰した。故・田中氏は二審を不服として、最高裁に上告。世論に背をむけ、争う姿勢を示した。自民党の田中派は結束して、「田中は無罪である。最終判決が出るまではただの人である」とうそぶき、世論に刃向かった。その田中氏は、結審をみずして平成五年十二月十六日死去した。追徴金五億円は支払わらずに済んだのである。元総理の故・田中角栄氏の図々しい様は、日本歴史の汚点として永遠に残る。
 海老沢氏が稀代の悪徳政治家・故田中角栄氏をどれほど尊敬しているか知らないが、NHKの会長ともあろう者が、世間の声を無視して、その地位に残っている様は、なんと評してよいものか。まさか、故・田中氏の前例に習っていいるわけでもあるまい。「長たる者は、進退命あり、去就義あり」を忘れてはならぬ。

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