| 第二回 (2004年8月25日)
今度のアテネ五輪では、感動することが多かった。中でも一番私の胸を打ったのは、女子マラソンで、なみいる強豪をなぎ倒し、優勝した野口みずきさんの快挙である。彼女は150cmの背丈というから、小柄な人である。歩幅も他の選手より短いだろう。にも関わらず、高低差の激しいコースを見事に征服したのであるから、私はビックリするやら、驚くやら。
「残り25キロあたりからスパートせよ」と指導した藤田信之監督も見事だ。「師弟一体」の姿を見た。深く信じ合うものがそこにはあった。 これこそ人間関係の基礎である。
競泳女子800メートル自由形で優勝した柴田亜衣さんもまた、立派である。私は戦前から水泳競技のファンであるが、日本男子が400、800メートル競泳で優勝した記憶がない。いつもアメリカのメディカ選手に負けていた様だった。特に800メートルは非常に苦しい競技だといわれ、その競技で金メダルを取った柴田亜衣さんには頭が下がる。
平泳ぎの北島康介くんの二種目優勝は、かつての強い日本水泳陣を思い出させてくれた。
男女柔道、体操男子団体、シンクロ、愛ちゃんの"さぁ〜"(と聞こえる掛声)もお見事。
今度のアテネ五輪からは、いろいろなことを教えられる。彼ら選手は、監督、コーチの指示に従い、努力に努力を重ねてきた。そこには自己の利害打算ない。ただひたすらに競争者に打ち勝つ為、心身を鍛えてきたのである。勝負は観衆の前で行われる。インチキは許されない。公明正大そのものである。
ひるがえって、日本の政治はどうであろうか。一国の首相を経験した者が歯医者の連盟から、一億円を料亭で密かに渡されたという。そこには、初診料などを値上げしてもらいたいという「底意」があったのであろう。一億円とは、庶民からみれば目の玉が飛び出るようカネである。私も一度といわず…何度でもよいから…封筒に入れないでもよろしいので、お目にかかりたいものだが、さっぱりだ。
政治に金がかかると言うが、金がかからないとは言わない。オリッピックの選手を料亭によんで「一億円やるから、必ず優勝せよ」と言う、とぼけた奴はいないだろう。それは見返りがないからである。ひところは、秘書給与をピンハネしたトンマがあちこちから、毒きのこのように出てきた。政治の世界では、変な奴が多い。そういう者は、泳いだり、走ったりする資格がないのであるから、さっさっと舞台裏に消えたらよい。いずれ秋の臨時国会で問題になるだろうが、若者の無心の努力、国民の期待に答えようとするその姿には、心が打たれる。「悪徳老人政治家」は舞台から落ちてしまえ。 自ら故郷に帰り、川の流れや、夜空の星を眺め、遠き青春の頃を思い出し、余生を過ごしたらどうか。
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