細川珠生website
最終更新日 2003年3月17日
■HOME ■MailMagazine ■Contact
ColumnPublicityProfileLink
メッセージ メインレポート 気になる人物 雑文・エッセイ ゲストコラム

★ 検討しているときではない

 人々の暮らしに関して、国会議員の認識具合は常々疑問ではあったが、先週、改めて、政治家は、国民の生活より、自分たちのメンツこそが大事なのだと再認識した。日経平均株価がバブル後最安値で、20年4ヶ月ぶりの7900円割れをした3月11日、参議院の予算委員会は終日空転。翌12日も空転。理由は、大島理森農相の金銭スキャンダルだった。15年度予算案は参議院でどんなに審議が遅れても、衆議院を通過してから30日で自然成立する。よって、参議院でどんなに粘っても、4月3日には成立するのだ。しかも、予算案の中身について与野党がもめにもめ、空転していたのではなく、閣僚のスキャンダルを首にとり審議がストップしていたのだから、改めて国会の良識を疑ってしまった。

 もちろん、疑わしき人物を閣僚に据えておくことはいいとは思わない。秘書のやったことは政治家本人も同罪である。大島農相の問題は、昨年秋の臨時国会の時から槍玉に上がっていたにも関わらず、一向に辞任するそぶりもなければ、罷免するつもりもなさそうな小泉内閣にも問題がある。また、「政治とカネ」にまつわるスキャンダルが、一向になくならないことも、政治への不信感をますます高めるだけであり、「疑わしきは罰す」というような大方針を決めない限り、いつまでも、国会の質は低いままだ。しかし、株価がどんどん下降を続け、経済全体が不気味な不安感に包まれているときに、「審議拒否」がとるべき道であろうか。野党が参考人招致を求め、それに答えることで国民の不信感が払拭できるのなら、与党もそれに応えればいい。応えないのは、単なるメンツの問題か、それとも応えられない何か理由があるのか。

 それにしても、小泉内閣が発足してもうすぐ2年が経つ。株価は約半分まで下落している。緊急の株価対策として、時価会計方式の凍結や金融機関の株式保有制限の延期など、いくつかを「検討する」そうだが、今や検討している段階だろうか。またこれらを実施してみたところで、帳簿上よくなるだけの、見せ掛けの対策でしかない。根本的な解決には至らないどころか、先延ばしすることで、病魔はますます進むような気がしてならない。

 私は以前から言っているように、決定的な経済対策など、ないような気がするのだ。緊急事態なのだから、財政出動もやむをえないという意見もあるが、では財源はどこからもってくるのか?これ以上の国債発行は、私たち世代の将来の負担を、どんどん重くするだけである。私は安易な財政出動には反対である。

 私は、ここで、やはり政治がきちんと姿勢を見せることではないかと思っている。政治も本気になって、経済回復のために、身を削って頑張るという姿勢である。まず、政治家の歳費を半減する。平成15年度からではなく、今年1月からさかのぼって半減。3月に支払われた期末手当(ボーナス)の返金。次期衆参の選挙で国会議員を半減。そして徹底した政府の歳出カット。日本は、政府が肥大化している。財源が足りないからといって、すぐに増税や社会保険料のアップなどで負担を求めるのではなく、まずは徹底した無駄の排除をするべきだ。国にも地方にも、行政には、無駄と思われる人たちがたくさんいる。まずは肥大化した行政を、徹底してスリムにすることから、始めてもらいたい。その姿勢を見せるのは政治の役割である。国会を空転させることで、日本がよくなると思うのなら、国会議員の認識は完全に間違っている。

 

#084 2003年07月10日
#083 2003年06月26日
#082 2003年06月12日
#081 2003年05月29日
#080 2003年05月20日
以前のコラム

Copyright(C) 2001-2005 (有)パールオフィス. All rights reserved.